肥料のヒント

 肥料は、菜園の規模や作付ける野菜にかかわらず必要なものです。不足すると作物の生育は不良となり、また過剰
でも生理障害を起してしまう可能性もあります。肥料は施肥基準量を守り、過不足なく施用しましょう。



<肥料の三要素>

【チッソ】
「葉肥」とも呼ばれ、主に葉や茎の生育を促します。

【リン酸】
「根肥」とも呼ばれ、根の生育に必要な成分。花や実の生長を助け、
花数を増やし実を豊かにします。

【カリ】
「実肥」とも呼ばれ、葉、茎、根の発育を促進し、 植物全体の生理
作用を調整、病気に対する抵抗力を強化します。



<二次要素>
■これらは、葉緑素の成分であったり、細胞膜を強化する働きをしたりと、 丈夫な植物を育てるのに不可欠なものです。 量的にはそう多くは必要
としませんが、 植物には不可欠な要素で、不足すると新芽の生育不良や黄化などを引き起こします。

Ca【カルシウム(石灰)】
土壌のpH(酸度)調整の他に、石灰植物と呼ばれる野菜(トマト、キャベツ、ホウレン草、セロリなど)は養分として大量に吸収します。

Mg【マグネシウム(苦土)】
植物の葉緑素の形成に必要な成分。不足すると下葉、葉脈間が黄変します。


<微量要素>
■微量要素は、植物が必要とする量は少ないのですが、生育に必要な元素です。 欠乏すると特有の欠乏症が葉などに現れて生育にも影響します。

Mn【マンガン】 【ホウ素】 
生理障害は、一般には肥料要素の欠乏または過剰により発生しますが、その原因に関しては、単純にその要素のみが欠乏または過剰の場合以外にも、他の肥料要素の多少が影響して起こる場合や、土質やpHなどの土壌条件が影響する場合、温度や水分など気象条件が影響する場合など、さまざまな環境条件が重なって発生している場合が多く、簡単には特定できないことが多々あります




<肥料のヒント>



ホウ素欠乏【アブラナ科に出やすい】

 ホウ素が欠乏すると、組織が堅くもろくなり亀裂やコルク化の症状が茎や
果実に現れます。土壌乾燥時や砂質の土壌で発生しやすく、またダイコン、
カブなどのホウ素要求性の高い作物を栽培した跡地は、土壌中のホウ素が減
少します。

(ホウ素欠乏には)
■熔成(ようせい)微量要素複合肥料(FTE)やホウ砂を施用するとよい


チッソ欠乏【未熟なオガクズを大量に入れると発生】

  生育不良で葉色が薄く、下葉から黄化します。
育苗期のチッソ欠乏は全体的に育ちが悪く、特に上位葉が小さくなります。
 チッソ施肥を忘れることはまずありません、チッソの少ない有機物(未熟なオガクズ、
生ワラ)を大量に入れると土中のチッソを奪い、チッソ飢餓となります。

(チッソ欠乏には)
■速効性肥料の施用
・燐硝安加里S604
・尿 素

リン酸欠乏【チッソ肥料だけで栽培したりすると発生】

 作物の初期生育にリン酸は特に必要で、土壌中にある程度均一に存在していないと根張りも悪く、初期成育が遅れます。
 一般農家ではリン酸欠乏はめったにありませんが、チッソ肥料のみで土づくりをしないよう注意しましょう。

(リン酸欠乏には)
■水溶性のリン酸は土壌に固定されやすいので、ク溶性のリン酸を含む肥料(ようりん)を施用するとよい

カリ欠乏【トマトはカリをたくさん必要とする】

 保肥力の低い砂質土壌で発生しやすく、葉のフチから黄化してきます。果実はカリを多く必
要とするので欠乏すると、すじぐされ果を生じます。特にトマトはカリ不足では糖度が上昇しません。

(カリ欠乏には)
■カリ肥料の施用(硫酸カリ・塩化カリ)

カルシウム欠乏

 十分に施用していても、多肥、高温下で、果実へのカルシウム転流が悪くなると、カルシウム欠乏のしり腐れが発生します。(トマト、ナス、ピーマン)また、カルシウムは青枯病、かいよう病、萎凋病対策としても重要ですので、欠乏には注意しましょう。

(カルシウム欠乏には)
■苦土石灰、消石灰、畑のカルシウムを土づくりに施用

マグネシウム欠乏

 果実の肥大化に伴い、葉の黄化が進行しますが、下位葉まで黄化することは少ない。

(マグネシウム欠乏には)
■硫酸マグネシウム、苦土石灰(粒)を土づくりに施用
HOME | JAバンク【各ローン】【年金相談】 | JA共済 | JAトラベル【N-ツアー】
copyright(c)JA-SHIGA GAMOU agricultural cooperative 2011All Rights Reserved.